ブラック企業と言えば、ゼンショー(7550)のすき屋があげられる。
2014年2月に「牛すき鍋定食」を発売したことで、激務に耐え切れなくなったアルバイトから猛反発をくらい、1254店が一時休業に追い込まれた前例の無い会社です。
ブラック企業の代名詞であるワタミでさえ、休業するということはありませんでした。
ゼンショーの今の株価はどうなっているのでしょうか?
見事にブレイクしていますね。
一体、何が変わったのでしょうか。
まず、深夜営業を停止していた店舗は2016年の年末には、ほぼ復旧する見込みとなっています。回復の原動力となったのは外国人スタッフの活用です。
2016年3月の売上高が前期比2.7%増の5,257億円、本業のもうけを示す営業利益は約4.8倍の121億円となっています。利益改善のポイントは食材ロスの改善と深夜営業の再開のようですが、同じ牛丼の松屋フーズは売上高が前期比3.5%増の839億円ということからも、ゼンショーの復活の気配を十分感じられるでしょう。
ゼンショーは積極的にM&Aを繰り返している企業です。2005年になか卯、2007年にはジョリーパスタ等を買収してM&Aによるポートフォリオを拡充しています。
同じ飲食業界のマクドナルドが本業のみで苦しんでいたのを横目に、営業の多角化を積極的に進めた結果が出ていると思われます。
但し、海外展開では失敗しており、米国では2014年にCRG社を売却し、150億の特別損失を計上していますし、アジアへの進出も利益には結びついていません。
今のところブラック企業の汚名を何とか返上しているというところですが、外国人スタッフの影響が今後、どのように現れるのかは注目すべきところだと考えます。
優待狙いで保持するにはブレイク直後なので考え物ですが、この回復力には期待したいところです。