トラリピは7割、豪ドルで8割が儲かるはウソ!ですね。
トラリピについて説明します。
トラリピは7割、豪ドルで8割が実現利益で儲かるとマネースクウェア・ジャパンで口座開設と同時に貰える「FXトラリピの教科書」に書いてあります。
一時期はマネースクウェア・ジャパンのホームページにも書いてあったような気がしますが、今はホームページからもそんな文言は消えています。
しかし、これは本当でしょうか?
私が持っている本では2010年1月~12年11月までを例にとって説明してありました。
この期間はレンジ相場であり、確かにトラリピで利益が獲れる期間です。
しかし待って下さい、下図で示していますが、この期間はリーマンショックによる超円高が終了した後の円安相場であり、FXで買いを入れていれば誰でも儲かる期間なのです。
また、利益のことを実現損益という言い方も良く分かりませんね。なぜ利益と言わないのでしょうか?この言葉にも裏がありそうです。この言葉には含み損が含まれていないのだと思います。
私はトラリピには以下の欠点があると考えています。
1.常に含み損
2.途中で止めれない
3.レンジを底抜けると地獄が待っている
4.スワップ通貨は円高確定
今、考えるとこんな恐ろしいシステムは無いと思いますが、当時はトラリピという言葉も新しい言葉で、リーマンショックでFXで損失を出した人が、私も含めて飛びついたのです。
それでは欠点についてそれぞれ説明します。(トラリピの基本である買いポジションでの説明です)
1.常に含み損
トラリピはレンジ幅にいくつもの買いポジションを細かく置いて、50銭動いたら決済していくシステムです。
また、50銭下がったらトラリピシステムが新たに買い建てを行い。常にポジションを作り出して行くシステムです。
図で説明するとピンクが買いポジションで、緑が決済されるタイミングです。破線が、利益を出そうと考えているレンジですね。
一応、成功するパターンを載せてます。
開始直後、円高に振れるので複数のポジションを持ちます。
このポジションが決済され、完全にプラスになるのが水色の線の終了時点です。
そうです、トラリピが利益を確定できるのは開始後からプラス50銭になるまでは常に含み損を抱えるシステムなのです。
2.途中で止めれない
上記で述べたように、トラリピは常に含み損を抱えるシステムです。従って、止めるタイミングは全ての決済が行われるタイミングとなります。
上記の例では、想定レンジの上限に達するまでは常にポジションを持ち続ける為、途中で止めることはできません。
途中で止める場合は、損切を行うということなのです。
これでは資産を長期運用できる人以外は儲けることができませんし、為替のレートを長期に渡って見通せる人などいません。
そんなことができれば、日本の超一流企業のトヨタが円高で損失を出すことはありませんよ。
3.レンジを底抜けると地獄が待っている
下図をご覧ください。ここ数年の豪ドルのトレンドです。
一時期102円の円安になり、110円までは固いと当時は言われていました。90円位でトラリピのポジションを持った人が多いのではないでしょうか?
その時のトラリピのブログ村でも、こういう意見が多かったですね。
当時、90円位でポジションを持った人、今はどうなっているのでしょうか?
考えるだけでも恐ろしいことです。
トラリピの問題は想定レンジを底抜けると利益の全く出ない期間となることです。
上図の場合のレンジを想定した人は2年経った今でも全く利益の出ない、含み損のみの投資を行っているという状況なのです。
トラリピは対象通貨の過去最高値をベースに資金繰りを検討しますが豪ドル90円で過去最高値55円を想定してポジションを持っている人はいないでしょう。
ちなみにマネースクウェア・ジャパンのらくトラ運用試算表をもとに90円から60円までをレンジとし1000通貨で10銭おきにポジションを取ったとして計算すると、700万円の資金がないと55円になった時にロスカットされてしまいます。
700万円の資金を投入して毎日500円の利益を出せたとしたら何日あれば、700万円を回収できるでしょうか?
答えは14,000日です。38年間ですね(笑)
38年間、55円の円高にならない保証はありません。
世界景気がこの先、どうなるか分かりませんが、レンジを底抜けた場合のロスカットの恐怖感は相当なものだと思われます。
4.スワップ通貨は円高確定
トラリピは含み損が常に発生する構造なので、せめてスワップで利益を出そうと考える人がいますが、この考えも排除した方がいいでしょう。
南アフリカランドやトルコリラの高金利通貨はインフレ国家です。信用度が高いと言われている日本の円や米ドルに対して、その価値が常に下がっていくのです。
結果として、円やドルが強くなり長期的には円高にトレンドになります。
何度も言いますが、トラリピは抱えているポジションのレンジを上抜けなければ地獄が待っています。所詮はスワップ益などゴミ屑みたいなものです。
どうしてもやりたいなら、豪ドル、NZドルぐらいで止めておいたほうがいいでしょう。
まとめ
トラリピは長期投資を謳っていますが、為替レートを長期に見通すことは困難です。2年前に今の円高レートを予測していた人がいるでしょうか?
予測できたとしても、この円高に張ってポジションを作る度胸はないでしょう。
もう一度、言いますがトラリピは危険です。
リーマンショック級のイベント後に始めるなら儲かるかもしれませんが、想定レンジを抜けた時に欲張らずに止めるべきでしょう。
ここまで、トラリピを全否定してきましたが、希望が無い訳ではありません。
トラリピをうまく活用している人もいます。
魚屋さんです。
この方のくるくるワイドという手法はリスクヘッジしながらトラリピをやる方法です。
共感できる手法で私も本を買ってトライし、利益は出ました。
ただ、リスク管理の手間が非常に大変です。逆にこれだけやらないと利益は出ないということでしょう。
常にFXで何かしていたい人にはオススメの手法なので読んみて下さい。
最後に、くるくるワイドもトラリピに潜んでいる危険性を完全には排除できないということを覚えておいて下さい。